中小企業診断士 ろーすのblog

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【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅳ・第1問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅳ・第1問(経営分析)です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅱの得点開示請求したところ、点数は52点でした。

全科目事例Ⅰ~Ⅳの中で最低点で、そもそも合格点まで届きませんでした

元々財務は学習経験もなく、全く得意科目ではありませんでした。
それでも何とか苦手ではないレベル(H29年度の一次試験は80点)まで引き上げたつもりだったのですが、
結局最後まで計算ミスはするわ、プロセスもグダグダだわ、最も苦しめられた科目です。

H29年度は難化したという外部要因もありますが、今回の私の解答プロセスは失敗例として参考にしてください。


試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら


<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第1問】

(設問1)

課題①売上高経常利益率:4.62%
課題②自己資本比率:19.88%
優位③有形固定資産回転率:1.93回

(設問2)

先端技術を有する工場の効率性が高く、借入金と利息負担が大きく収益性・安全性が低い。

以下、解答プロセスです。

(設問1)

<設問分析>

■問われていることの確認
課題×2、優れている×1

■計算に必要な条件を整理(蛍光マーカーでチェックして抜けもれ防止)
小数点第3位を四捨五入、カッコ内に単位を明記

<与件文分析>
「海外で一定の評価」という効果と、
「先端技術を有するD社の主力工場」「多様な染色加工に対応した仕上げ」「後処理技術」「高品質の製品を提供」
という内部資源をチェック。
優れている点の根拠としてアタリをつける。

「安定受注を確保すること」「得意先との交渉による適正料金の設定」「生産プロセスの見直し」
「設備更新」「加工コスト削減」
という課題をチェック。
これらはそのまま課題の根拠として候補にする。

<財務諸表分析>

■PLチェック

【収益性】
売上高総利益率は悪い
売上高営業利益率は悪い
売上高経常利益率は悪い(営業外費用が過大)

■BSチェック

【効率性】
売上債権回転率は良い
棚卸資産回転率は良い
有形固定資産回転率は良い

【安全性】
自己資本比率は悪い
負債比率は悪い

<財務指標の絞り込み>
(設問2)の記述する内容との整合性を意識しながら選択する。

■課題
効率性は全て良好のため、
収益性・安全性からそれぞれ選ぶことにする。

(設問2)の文字数が少なく、収益性・安全性の特徴をそれぞれ丁寧に記述することは難しいと判断
営業外費用が過大=借入金が過大であることで、2つ同時に指摘できるため、
売上高経常利益率」「自己資本比率」を選択。

※この解答プロセスは、(本試験時は気づきませんでしたが)販管費率が低いという矛盾を解消できていないため、適切ではないと感じます。
また、「負債比率」ではなく「自己資本比率」を選択した理由も、
「全体的に利益が少なく内部留保が少ないという要素を含んでリスクヘッジできそう」という迷いからであり、
論理の一貫性に欠け、ここは大きな反省点です。
しかし、ここで迷うと全体のタイムマネジメントが崩れると判断し、割り切って解答しました。

自己資本比率・負債比率は非支配株主持分を計算に含めないのが通常らしいのですが、
私はそこまで気が回らず、計算に含めて解答しました。

焦って流し読みしたため読点の扱いを注意できず勘違いしていたのですが、
「生産プロセスの見直し」「設備更新」は、それぞれが独立した課題ではなく、「加工コスト削減」の手段ですね。

■優れている点
根拠として「先端技術を有するD社の主力工場」を選択し、有形固定資産回転率に絞り込みました。

※しかしこれも、「設備更新」という課題との矛盾が解消できないため、適切ではないと感じます。
また、「先端技術を有するD社の主力工場」は効果と結びついておらず、根拠としては弱いかもしれません。
受験校の模範解答を読むと、D-a社の包装荷造業務・保管業務を根拠として棚卸資産回転率」が有力なようですが、
私は本試験ではそこまで気づけませんでした

(設問2)

「特徴」とあるので、(設問1)で解答した「課題」「優れている点」両方を含む解答を検討する。
文の構成、「~のため○○性が高い(低い)」定型文として処理
事前の設問文チェックで文字数制限が厳しいことは把握しておき、
(設問1)を文字数も計算に入れながら検討することで、時間をかけ過ぎないよう注意した。


以上、いかがだったでしょうか。

改めて見直すと、子会社の扱いなど「そもそも気づけなかった」要素が多く、
実力不足だった感は否めません

そしてそういう問題に当たった時に陥るのが、
迷いと焦りの感情による論理的プロセスの崩壊です。
そのための対策は、やはり自分なりの解答プロセスを確立し、何度も繰り返すことにより、
どんな問題にぶつかってもブレないように鍛錬をすることだと思います。

私も、本試験時はかなり動揺したものの、自分の解答プロセスの中でタイムマネジメントをキープして、
他の設問に適切に時間を配分できたのが、事例Ⅳが致命傷にならなかった理由だと思ってます。

以上、ろーすでした!