中小企業診断士 ろーすのblog

中小企業診断士試験に役立つ知識(過去問解説・勉強法など)を紹介していきます。

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅰ・第3問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅰ・第3問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅰの得点開示請求したところ、点数は68点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第3問】

地元企業が複数誘致されているため、同業種企業との連携で規模の経済を図ったり、異業種企業との連携で範囲の経済を図れる可能性がある。また、工場の品質を確保するための外部組織の活用を行える可能性がある。

 

以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

「戦略的メリット」の解釈について、「戦略的」とあることから経営戦略のレイヤーであることは確定しましたが、「メリット」の解釈に悩みました。
H28年度・事例Ⅱ・第3問でも「メリットと効果」というフレーズが登場し、解釈には諸説ありますが、やはり「効果」とは異なる解答を要求されているものと判断しました。


<大枠把握>

「工業団地」のヘッダーキーワードから、6段落の対応付けは早々に確定しましたが、「効果」とは異なる解答を要求されているという思い込みがあり、素直に読めば目にとまる「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」「日産50,000個体制にまで整備」を根拠として拾えませんでした。
「工業団地に移転し操業」することの一般論としてのメリットをイメージすると、広いスペースの確保による「日産50,000個体制にまで整備」はともかく、「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」は工業団地移転固有のメリットとは解釈できませんでした。

<難易度評価>

対応付けまではスムーズにいったものの、上記のように決定的な根拠が見つからず、優先順位を下げました。

<ポイント解釈・編集>

工業団地の一般的メリットとしてまずイメージしたのは、同じく誘致された地元企業との連携でした。
そこで思い浮かんだのが、H29年度一次試験・企業経営理論の第4問、M&Aの問題でした。(ここでも「戦略的」という文言が使われてますね)

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イの選択肢は、同業種/異業種とのM&Aに対する規模の経済/範囲の経済の組み合わせの記述になっています。(ちなみにイは×)
この同業種→規模の経済、異業種→範囲の経済というセオリーをそのまま貼り付けました。
あとは、「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」の記述からのニュアンスで、「品質を確保するための外部組織の活用」を追加で記述しました。


以上、いかがだったでしょうか。

やはりこれが本試験の難しさというか、当時は「メリット」の解釈について思い込みから離れられず、「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」「日産50,000個体制にまで整備」という記述にはチェックすら入っていませんでした。
大手受験校の模範解答では、素直に「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」「日産50,000個体制にまで整備」を「メリット」として解釈していますね。
俯瞰して与件をみれば、消去法で考えてもこれらの記述が根拠として使えるのは本問しかないため、柔軟に考えることができたらとても簡単な問題だったかもしれません。
ただ、総点数から考えると私の解答でも部分点はもらえたようですね。


以上、ろーすでした!