中小企業診断士 ろーすのblog

中小企業診断士試験に役立つ知識(過去問解説・勉強法など)を紹介していきます。

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅰ・第4問

f:id:rohse:20180505201012j:plain

こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅰ・第4問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください

ちなみに、H29年度・事例Ⅰの得点開示請求したところ、点数は68点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第4問】
新商品の開発に取り組み、製品ラインアップの幅が広がることにより、贔屓筋などの顧客ロイヤルティが下がる可能性がある。また、経営資源が分散することにより、商品の品質が低下する可能性がある。

 以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

全国市場へ拡大による「ビジョンの達成」がゴール。ビジョンの内容を与件から要確認。助言の内容は「障害となるリスクの可能性」とあり、解釈が難しかったが、シンプルに「障害となるリスクの可能性」を記述することに決める。中小企業診断士の立場で」とあるので、何らかのセオリーを絡めた解答を求められているものと解釈した。


<大枠把握>

「ビジョン」のヘッダーキーワードから、1段落・7段落を対応づけ。「全国市場への進出」の課題の記述もある7段落をコアの根拠とする。

<難易度評価>

対応段落が狭いものの、「障害となるリスクの可能性」の助言の解釈が不明で、何らかのセオリーも要求されてることからリスクが高く、優先順位を下げる。


<ポイント解釈・編集>

「主力商品に依存」「A社が独自で創りあげたものではない」という全国市場進出を阻む問題点をひっくり返して、「新商品の開発に取り組み、製品ラインアップの幅が広げること」を「障害となるリスク」が発生する前提として記述。それに対して、「ブランド拡張によるブランド連想の希薄化」のセオリーを「贔屓筋」の存在と絡めて記述し、主力商品に絞ることで効率性を高めてきた優位性が相殺される可能性を考え、経営資源の分散」のセオリーを記述した。

以上、いかがだったでしょうか。

大手受験校の模範解答では、「全国市場への進出の要件」として「首都圏出店」が協調されていることに着目して根拠として記述したり、「自社店舗による直接販売は行っていない」という点を弱みとみなして顧客ニーズが収集できていないため全国市場で戦える商品開発が難しい、また過剰投資で経営破綻したX社を根拠として資金不足になるリスク、などが書かれていましたが、本問に関してはバラつきも多く、正確な解釈・解答は難しい問題だったのだと思います。
また、私の場合はシンプルに「障害となるリスクの可能性」のみ記述しましたが、協会発表の趣旨には

地域ブランドとして優位性をもつ主力商品の全国市場への展開がもたらす問題を分析し、それに対して適切な助言をする能力を問う問題である。

とあり、「障害となるリスクの可能性」を指摘した上で、対策となる助言もすることが求められていたようです。


以上、ろーすでした!