中小企業診断士 ろーすのblog

中小企業診断士試験に役立つ知識(過去問解説・勉強法など)を紹介していきます。

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅰ・第4問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅰ・第4問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください

ちなみに、H29年度・事例Ⅰの得点開示請求したところ、点数は68点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第4問】
新商品の開発に取り組み、製品ラインアップの幅が広がることにより、贔屓筋などの顧客ロイヤルティが下がる可能性がある。また、経営資源が分散することにより、商品の品質が低下する可能性がある。

 以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

全国市場へ拡大による「ビジョンの達成」がゴール。ビジョンの内容を与件から要確認。助言の内容は「障害となるリスクの可能性」とあり、解釈が難しかったが、シンプルに「障害となるリスクの可能性」を記述することに決める。中小企業診断士の立場で」とあるので、何らかのセオリーを絡めた解答を求められているものと解釈した。


<大枠把握>

「ビジョン」のヘッダーキーワードから、1段落・7段落を対応づけ。「全国市場への進出」の課題の記述もある7段落をコアの根拠とする。

<難易度評価>

対応段落が狭いものの、「障害となるリスクの可能性」の助言の解釈が不明で、何らかのセオリーも要求されてることからリスクが高く、優先順位を下げる。


<ポイント解釈・編集>

「主力商品に依存」「A社が独自で創りあげたものではない」という全国市場進出を阻む問題点をひっくり返して、「新商品の開発に取り組み、製品ラインアップの幅が広げること」を「障害となるリスク」が発生する前提として記述。それに対して、「ブランド拡張によるブランド連想の希薄化」のセオリーを「贔屓筋」の存在と絡めて記述し、主力商品に絞ることで効率性を高めてきた優位性が相殺される可能性を考え、経営資源の分散」のセオリーを記述した。

以上、いかがだったでしょうか。

大手受験校の模範解答では、「全国市場への進出の要件」として「首都圏出店」が協調されていることに着目して根拠として記述したり、「自社店舗による直接販売は行っていない」という点を弱みとみなして顧客ニーズが収集できていないため全国市場で戦える商品開発が難しい、また過剰投資で経営破綻したX社を根拠として資金不足になるリスク、などが書かれていましたが、本問に関してはバラつきも多く、正確な解釈・解答は難しい問題だったのだと思います。
また、私の場合はシンプルに「障害となるリスクの可能性」のみ記述しましたが、協会発表の趣旨には

地域ブランドとして優位性をもつ主力商品の全国市場への展開がもたらす問題を分析し、それに対して適切な助言をする能力を問う問題である。

とあり、「障害となるリスクの可能性」を指摘した上で、対策となる助言もすることが求められていたようです。


以上、ろーすでした!

 

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅲ・第4問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅲ・第4問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅲの得点開示請求したところ、点数は64点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第4問】

製品面では、常務のIT技能を活かし、外部調達しているCNC制御装置の改良を行う。または、さらに高度な技術をもつ企業を探す。サービス面では、NC機械を使用したことのない顧客への研修や、プログラムの提供、駆動部や刃物のメンテナンスをサービスとして加える。以上により、高付加価値化し、売上高を向上させる。

以下、解答プロセスです。

 

<要求具体化>

「今後大きな設備投資や人員増をせずに」の制約、「高付加価値なCNC木工加工機事業を進めたい」というゴール、「製品やサービスについて」の条件を丁寧に整理する。

<大枠把握>

CNC木工加工機の事業化の記述がある9~12段落を対応付け。【第3問】との切り分けについては、【第3問】がいわばインバウンドの対応、【第4問】がアウトバウンドの対応であるため、ほとんど迷いませんでした。

<難易度評価>

要求条件の制約が若干複雑だったものの、対応付けした段落がまとまっているため解答のイメージは浮かびやすかった。しかしほかの問題と比べて相対的に難易度は高いと感じたため、優先順位は下げた。

<ポイント解釈・編集>

「今後大きな設備投資や人員増をせずに」の制約から、アウトソーシング(外部組織の活用)を想定し、外部調達しているCNC制御装置の改良を製品面の方策として記述した。その際、過去問のセオリーから、C社の強力な内部資源である「常務のIT技能」を2段落から引っ張って活かした。サービス面では、展示会の来展者から質問があった「プログラム提供の可能性」「駆動部や刃物のメンテナンス方法」をニーズとして汲み取って対応する方策を記述した。

 


以上、いかがだったでしょうか。

見直してみると、いくら常務にIT技能があっても、CNC制御装置の改良に活かすというのは無理がありましたね。
大手受験校の模範解答では、顧客ニーズがある「汎用性」をさらに改良する方向性でまとめられていました。同じくニーズがある「操作性」は顧客から評価されたものの、「汎用性」に関しては触れられていない=改良の余地があるとの解釈でしたが、私はそこまで気づけませんでした…。

 

以上、ろーすでした!

 

2019年版 ふぞろいな合格答案 (エピソード12)

2019年版 ふぞろいな合格答案 (エピソード12)

 

 

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅱ・第4問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅱ・第4問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅱの得点開示請求したところ、点数は71点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第4問】

10歳までの子供をもつ30代の子育て世代をメイン・ターゲットにする。入園準備品をアドバイスと共にセット販売したり、親と子の快眠教室イベントで親子が快眠できる高品質商品を販売して大手スーパーとの差別化を図り、来店客数増・客単価増を図る。

 

以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

「今後」「シルバー世代以外の(セグメント)」「図を参考に」という制約条件を確認する。
助言内容となる「施策」は、4Pを想定した。

 

<大枠把握>

図をざっくりと確認。「シルバー世代以外の」という制約条件に注意すれば、30代の子育て世代がターゲットだと容易に想定できる。(H27・事例Ⅱとほぼ同じ図ですね)
シルバー世代が「確実に減少する」という記述からも、「子育て世代」のターゲット確定。
「シルバー世代」というヘッダーキーワード、対比として図からターゲット確定した「子育て世代」にむけた成功事例が展開される、8段落・9段落と対応付け。


<難易度評価>

図からターゲット確定でき、対応付けした8段落・9段落の内部資源・効果の根拠が明白なため、優先順位は高いと判断。


<ポイント解釈・編集>

図から読み取った情報を正確さに気をつけて記述。8段落の「来店するようになった」効果を得た「入園準備のアドバイス」、9段落の「後日顧客としてらいてんするようになりつつある」効果を得た「親と子の快眠教室イベント」を記述し、【第1問】で消化済みではあったものの同じ9段落にある競合の大手スーパーとの差別化を意識した施策を助言として、集客力のあるイベント活用→来店客数増セット販売・高品質商品販売→客単価増を効果とした。

 

以上、いかがだったでしょうか。

正直、とても簡単な問題に思えましたが、大手受験校の模範解答では、「手作りで用意する手さげカバンのサイズ」という与件の記述から「(副社長の)裁縫、刺繍の技術」を活かしたり、11段落の「地域の繁栄」という課題から若年層住民の商店街への誘客を効果として記述していましたね。(私はこの課題には気づけなかったのですが、結果的に大型スーパーとの差別化という記述が地域の繁栄と見なされて得点できたのかもしれません)

 

以上、ろーすでした!

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅰ・第3問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅰ・第3問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅰの得点開示請求したところ、点数は68点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第3問】

地元企業が複数誘致されているため、同業種企業との連携で規模の経済を図ったり、異業種企業との連携で範囲の経済を図れる可能性がある。また、工場の品質を確保するための外部組織の活用を行える可能性がある。

 

以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

「戦略的メリット」の解釈について、「戦略的」とあることから経営戦略のレイヤーであることは確定しましたが、「メリット」の解釈に悩みました。
H28年度・事例Ⅱ・第3問でも「メリットと効果」というフレーズが登場し、解釈には諸説ありますが、やはり「効果」とは異なる解答を要求されているものと判断しました。


<大枠把握>

「工業団地」のヘッダーキーワードから、6段落の対応付けは早々に確定しましたが、「効果」とは異なる解答を要求されているという思い込みがあり、素直に読めば目にとまる「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」「日産50,000個体制にまで整備」を根拠として拾えませんでした。
「工業団地に移転し操業」することの一般論としてのメリットをイメージすると、広いスペースの確保による「日産50,000個体制にまで整備」はともかく、「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」は工業団地移転固有のメリットとは解釈できませんでした。

<難易度評価>

対応付けまではスムーズにいったものの、上記のように決定的な根拠が見つからず、優先順位を下げました。

<ポイント解釈・編集>

工業団地の一般的メリットとしてまずイメージしたのは、同じく誘致された地元企業との連携でした。
そこで思い浮かんだのが、H29年度一次試験・企業経営理論の第4問、M&Aの問題でした。(ここでも「戦略的」という文言が使われてますね)

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イの選択肢は、同業種/異業種とのM&Aに対する規模の経済/範囲の経済の組み合わせの記述になっています。(ちなみにイは×)
この同業種→規模の経済、異業種→範囲の経済というセオリーをそのまま貼り付けました。
あとは、「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」の記述からのニュアンスで、「品質を確保するための外部組織の活用」を追加で記述しました。


以上、いかがだったでしょうか。

やはりこれが本試験の難しさというか、当時は「メリット」の解釈について思い込みから離れられず、「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」「日産50,000個体制にまで整備」という記述にはチェックすら入っていませんでした。
大手受験校の模範解答では、素直に「ハサップに準拠」「品質や食感を確保」「日産50,000個体制にまで整備」を「メリット」として解釈していますね。
俯瞰して与件をみれば、消去法で考えてもこれらの記述が根拠として使えるのは本問しかないため、柔軟に考えることができたらとても簡単な問題だったかもしれません。
ただ、総点数から考えると私の解答でも部分点はもらえたようですね。


以上、ろーすでした!

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅲ・第3問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅲ・第3問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅲの得点開示請求したところ、点数は64点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

 

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第3問】
 
複雑な形状の加工を容易に行うCNC木工加工機の実演動画を掲載し、プログラムの作成方法・プログラムの提供の可能性・駆動部や刃物のメンテナンス方法・加工可能な材質などに関する質問に答える掲示板を設置することにホームページを活用する。社内対応策は、質問に答えるオペレーターを設置し、質問があった顧客に電話営業も行う。

 

以下、解答プロセスです。

<要求具体化>

要求条件の要素を確認する。
「ホームページを活用した」「CNC木工加工機の」「受注拡大」というゴール、「展示会での成功を参考に」という与件との対応づけヒント、「潜在顧客を獲得」という具体的ゴール、「ホームページの活用方法」「潜在顧客を獲受注に結び付けるための社内対応策」という2つの助言要求を整理して、解答の構成を検討する。
設問の内容から、解答レイヤーは生産系(生産管理・生産性)ではなく経営戦略を想定

<大枠把握>

ヘッダーキーワード「CNC木工加工機」から9段落、「新規事業の販路開拓」という課題の記述がある11段落、展示会に出展した12段落、ヘッダーキーワード「ホームページ」から13段落を対応づけ。


<難易度評価>

「展示会での成功を参考に」というヒントからも、対応段落が明確なため、優先順位を上げた。
対応段落の多さ、広がりは気になったものの、コアになる根拠は12段落に集中していると判断した。


<ポイント解釈・編集>

「来展者の注目を集めることができた」効果を得た「複雑な形状の加工を容易に行うCNC木工加工機の実演」、「CNC木工加工機の加工精度や操作性、メンテナンスの容易性が来展者から評価され」た効果を得た「プログラムの作成方法、プログラムの提供の可能性、駆動部や刃物のメンテナンス方法、加工可能な材質など」の「質問」に「答えること」という成功体験を、「ホームページ」上で再現する方法を助言とした。
また、「潜在顧客を獲受注に結び付けるための社内対応策」は根拠が見つからなかったものの、「社内」という条件に注意しながら、解答の文脈より見込み客への「電話営業」とした。


以上、いかがだったでしょうか。

大手受験校の模範解答では、「潜在顧客」の対象を具体的に記述したり(事例Ⅱぽいですね)、常務とともにCNC木工加工機開発の中心となった、1人しかいない設計担当者の余力を増やして潜在顧客獲得に充てるという対応策で解答の精度を高めているようですね。


以上、ろーすでした!

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅱ・第3問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅱ・第3問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅱの得点開示請求したところ、点数は71点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第3問】

介護のための改装の際に、介護ベッドなどの導入を顧客の要望を丁寧に聞き取って接客しながら、セットで販売する。建築のデザインに合ったこだわりの日用品の推奨販売を継続的に行い、改装した家や介護ベッドのメンテナンスも定期的に行い、固定客化を図る。

 

以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

「中小建築業と連携」とあることから、中小建築業の経営資源を活用することを確認する。
「シルバー世代」というターゲット、「顧客生涯価値を高める」というゴールを確認する。
施策の内容は、4P(製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、プロモーション戦略)を幅広く想定した。


<大枠把握>

ヘッダーキーワード「建築業」がある2段落、日用品販売の「リピートする例も多い」「購買間隔が短い」「顧客との継続的な接点を作りやすくなった」=LTVが高いという効果の記述がある5段落を紐づけた。

<難易度評価>

紐づけする段落が明確であり、それぞれの段落に根拠も明示されているため、優先順位は高いと判断した。

<ポイント解釈・編集>

「建築業」の機会である「介護のための改装」、B社の強みである「こだわりの接客」(1段落)、B社の品揃えである「介護ベッド」(1段落)、それぞれの経営資源を結びつける施策をセット販売としてまとめた。建築業の改装と日用品販売のシナジーを意識した推奨販売、継続的な接点を作るための施策としてメンテナンスを助言し、効果としてLTVの向上=固定客化をゴールとした。


以上、いかがだったでしょうか。

B社の強み「こだわりの接客」やB社の品揃えである「介護ベッド」は、大枠把握時点では紐づけしなかった1段落を根拠としました。
「こだわりの接客」は【第1問】のポイント解釈時点で内部資源としてチェックしましたが、この強みは汎用的に活用できると判断し、本問の根拠に加えました。
「介護ベッド」は、大枠把握時に「ベッド」だけでなく「ベビー(ベッド)」「介護(ベッド)」とわざわざ詳細を記述(強調)しており、何らかの根拠になる可能性が高いとしてチェックしていたため、こちらも根拠に加えました。

大手受験校の模範解答では、「中小建築業と連携」の解釈から、中小建築業のメリットも明確に記述していましたね。

 
以上、ろーすでした!

【二次試験過去問の解答プロセス】H29年度・事例Ⅰ・第2問

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こんにちは!ろーすです。

今回は二次試験過去問の解答プロセスを解説します。
取り上げるのはH29年度・事例Ⅰ・第2問です。

※本ブログで解説する内容はあくまで「ろーす流」です。
模範解答とは異なりますので、ご注意ください。

ちなみに、H29年度・事例Ⅰの得点開示請求したところ、点数は68点でした。

試験問題はこちら

出題の趣旨はこちら

<ろーすの再現答案>
(本試験で書いたままの、ガチの再現答案です。模範解答ではありませんのでご注意)

【第2問】

専門化の原則に準じた機能別組織で、販路開拓や人事・経理など重要な職務は正規社員が行い、補助業務は非正規社員が行っている特徴がある。また交代勤務など柔軟な勤務体制を導入しモラールを高めている。 

 

以下、解答プロセスです。


<要求具体化>

正規社員が少人数=非正規社員が多いという解釈をした上で、
「少人数の正規社員での運営を可能にしている」とあることから、何らかの効率化を図っていると解釈した。
効率化した「経営体制」とあることから、セオリーとしてアウトソーシング(外部資源の活用)を想定し、
可能性は低いと思ったものの、非正規社員のモラール向上も一応メモした。

<大枠把握>

ヘッダーキーワードがある1段落・2段落しか紐づけできずに根拠が少なく、苦戦しました。
5段落は「自動化によって効率性を高められ」た記述があったのに本試験では気づくことができませんでした。
冒頭の「主力商品だけに絞って商品名を冠にした新会社設立」の記述に引っ張られ、【第1問】に紐づけてしまったためだと思います。

<難易度評価>

1段落・2段落に根拠が少なかったため他段落の可能性も考えましたが、大枠把握時点で見つけることができなかったため、タイムマネジメントの観点から深追いせず、優先順位を下げました。

<ポイント解釈・編集>

社長が営業部門・専務が総務部門を管轄していることから、この2部門がA社にとって重要な職務であるため正規社員が集中的に配置され、一方で非正規社員は製造部門の補業務のみを行っている事実を貼り付けました。
字数が埋まらなかったので、要求具体化時点でメモした非正規社員のモラール向上をリスクヘッジの期待も込めて書き、苦し紛れに機能別組織の一般的説明を形容詞的に書いておきました。


以上、いかがだったでしょうか。

本試験では、かなり嫌な汗をかいたことを覚えています(笑)。
出題の趣旨を読むと「少数の正規社員による効率経営を実現している事業の仕組み及び管理体制について、分析する能力を問う問題」とありますので、私の解答はかなり的外れだと思います。
しかし、総点数から考えると、与件に記載のある事実を貼り付けただけでも、若干の部分点は入った可能性もあります。

大手受験校の模範解答を読むと、やはり5段落の「自動化によって効率性を高められ」はマストで根拠に入っていますね。
2段落でも「自社店舗による直接販売は行っていない」を根拠としていましたが、そもそも行っていないものを「効率化」という能動的な意味に捉えられなかったため、ノーマークでした。


以上、ろーすでした!